[voice icon="https://scifiartlog.com/wp-content/uploads/2019/12/Cycle-77KB.jpg" name="管理人" type="l"]
こんにちわ、SF画家の「Yasu」です!
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[voice icon="https://scifiartlog.com/wp-content/uploads/2019/12/komatta_man2.jpg" name="悩み人" type="l"]
● 小説のストーリー構成をどう作ればいいか分からない…
● どうすれば面白い物語が書けるんだろう?
● マンガの全体プロットを作る時に参考になりそうなルールは無いかな?
[/voice]
そういう悩みを持っていて、「小説家になろう」や「カクヨム」への投稿を考えてる小説家志望者。
あるいは「Pixiv」や「漫画ハック」に投稿しようと思ってるマンガ家志望者がいましたら…
これを読めばもう1発OKです。なぜなら、物語を作るときによく使われる
「神話の法則(別名:ヒーローズ・ジャーニー理論)」
を使えば、全体プロットを組み立てる作業がスムーズにはかどるからです。
じゃあ、その12の法則って一体何なのか?をチョー簡単に説明すると…
[box class="pink_box" title="12の法則を3つに要約"]
1、主人公が非日常の世界へ旅立つ
2、死の危険にさらされるほどの試練を経験
3、何かを学んで元の世界へ帰還要約するとこんな感じです。
[/box]
この記事で取り上げる12の法則をじっくり実践していけば…
異世界ファンタジーやヒーローものでも、読者を引き込むシナリオが書けます(ただ、その物語が新鮮味あるのかどうかは”アイディア”次第ですが…)。
では、さっそく詳しく解説していきますね!
目次
小説作りに必要な「神話の法則」ってなに?
「神話の法則」というのは、20世紀を代表するアメリカの神話学者「ジョーゼフ・キャンベル」が提唱した理論の1つで…
世界中の民族の神話や文学は、ほとんど全て
「同じストーリー構造で出来ている」
と断言した画期的な内容です。
人類が数千年かけて語りついできた物語は、ほとんど1つの基本パターンを繰り返しているにすぎず…人々は、話のテーマをかえて、そのパターンを繰り返し何度も使っている。
それをキャンベル先生は「千の顔をもつ英雄(1984)」という本で発表したんです。
この理論の存在は、キャンベル先生が本にまとめる前から、いろんな分野の作家がうすうす勘づいていて…
ジョージ・ルーカス監督が、ハリウッド映画「スターウォーズ(1977)」でこの理論を使ったことから、広く一般にも知られるようになりました。
じゃあ、この神話の法則が使われた作品には、一体どんな作品があるのか?を一覧でまとめてみました。
[box class="blue_box"]
● 小説:ロードオブザリング、ナルニア国物語、アルスラーン戦記etc
● 映画:スターウォーズ、ハリーポッター、 スパイダーマンetc
● 漫画:ドラゴンボール、ナルト、僕のヒーローアカデミアetc
● アニメ:天空の城ラピュタ、千と千尋の神隠し、トイストーリーetc
● ドラマ:ブレイキングバッド、ゲームオブスローンズ、ストレンジャーシングスetc
● ゲーム:ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー、メタルギアetc
[/box]
ご覧のとおり、作られた年代も国もバラバラなのに、各分野の有名作品は、 SFやファンタジーを中心に「神話の法則」を採用しています。
神話の法則は全部で12段階
1、日常世界の紹介
主人公は、自分の住む世界になじめず、周りから浮いているなど…
環境や住んでいる場所の伝統や社会に
反感や問題を抱えているケースが多いです。
しかも、主人公は自分の今いる場所とは違う世界に冒険したいと憧れている。
こう書くと何だか10や20代の若い世代限定のストーリーしか書けないじゃないか!と思うかもしれませんが…
例えば、順風満帆な家庭生活を送っていたのに、突然ガン宣告されてしまった中年おじさんのケースでも良いんです。
自分のいる環境に対して、何らかのストレスを抱えている場面を見せればいいんです。
2、冒険への誘い
ここで出てくるのが…
外からの圧力です。
映画でいう丁度30分あたりのシーンで、主人公の生活を劇的に変えてしまうような「事件」や「事故」が発生。
また、外部からの圧力だけでなく「主人公の心の中にあった不満がなんらかの形で爆発する」っていう見せ方もあります。
例えば、自分の住んでる家の庭に宇宙人が落ちてきて、さぁ大変!
みたいに「突発的におこる何か」を出せば良いでしょう。
3、冒険の拒否
冒険の誘いをサプライズで受けても、やっぱりそこは人間ですから、未知のもの対する恐怖感から…
誘いを断ろうとするものです。
それまで全く縁が無かったのに、クラスでイケてる女子から、急にパーティーに誘われて怪しむアメリカの高校生ものとかで、その反応はよく見られます。
うまくやっていける自信がないとか…
どうなるか先がよめない…
そういう不安が原因で、主人公が逃げ腰になってる描写を入れてしまえば良いんです。
あとここで初めて
「敵」の存在を知らせます。
敵は人でも、ロボットでも、自然でも、時間でも構いません。
とにかく主人公の邪魔をする存在としてセッティングすれば、バッチリです。
4、賢者(メンター)との出会い
ダンブルドアやガンダルフ、マーリンみたいな魔法使いで有名な賢者(メンター)がここで登場。
ファンタジーでは定番ですねー。
大抵、年老いた老人で、主人公に重要なアイテム「ライトセーバー」とか「例のあの人」の倒し方とかを伝授。
アドバイスや訓練を受けさせる先生的なポジションで大活躍します。
一番大事なのは…
メンターが今の主人公に足りないところをアドバイスする
…ってことです。ここで指摘されるアドバイスが、作品のテーマ=作家が伝えたいメッセージになります。
なので、よくよく考えてみて下さい。
5、ゲートの通過
冒険へ出るかどうかを決めかねていた主人公が…
何かのきっかけで旅に出るのを決心する
そういうステージです。
両親や家族が敵に殺されてしまうとか…
住んでいた場所をおいだされるとか…
とにかく主人公は、慣れ親しんだ故郷やふるさとを離れ、未知の世界へ冒険しに行きます。
6、仲間さがし
主人公が非日常の世界に入り込み
仲間集めをスタート
桃太郎でいう猿・キジ・犬あつめみたいな段階。
あるいは、カウボーイや賞金稼ぎと言った連中があつまるバーに行って、協力してくれそうな相棒を見つけるってのもあります。
あとこの辺りから、敵さんが主人公探しを開始。
すれ違ったりして、両者の距離が徐々につまっていきます。
7、危険な場所への接近
主人公とその仲間たちは、お姫様や財宝をゲットしにある場所へ向かう。
あるいは、ある目的をはたす為に、特定の場所をおとずれます。
しかし、そこは…
敵がしかけたトラップや罠が満載。
また、敵の本拠地(ベース)にうっかり入ってしまうなんてパターンもありえます。
8、最大のピンチ
最大級の試練がふりかかる。
とにかく主人公が「死」の危険にさらされます。
そういう目にあうことで、初めて主人公の現実認識が一変することに…
財宝や人などの「目的」をめぐって、敵とダイレクトに対決する状況をセッティングすればOK。
ここで肝心なのが
主人公はまだ未熟ってところ。
敵のほうが場数を踏んでるので、一枚も二枚も上手ってムードをだしてやればワクワクします。
そして、このタイミングで…
賢者(メンター)を殺して退場させます。
9、ご褒美
主人公が死に直面する試練(ピンチ)にうち勝ち、宝ものやお姫さまを何とかゲットする場面がここです。
宝ものは、必ずしも「物」とは限らず、戦いを経験して学んだ「教訓」でもOK。
ゲットしたことによって、祝いのうたげが開かれたり、仲間と喜び合うシーンを入れる必要があります。
しかし、ここで観客を安心させると集中力がとぎれるので、その褒美が消えてしまうかもしれない…
不穏な何かをにおわせる事が重要です。
10、帰り道
主人公が「宝」をもって、元いた世界に帰ろうとします。
しかし、敵はまだしつこく追ってきます。
あるいは、主人公への復讐心から仲間の誰かを人質にとったり、待ち伏せたりして…
再び敵と向かい合わなければなりません。
敵とのカーチェイスシーンを作ったりすれば、緊張感あふれる場面が作れます。
11、復活
遂にクライマックスを迎えますが、ここでまた主人公は「死」の危険にさらされます。
敵との2回目の対決を制さなければなりません。
ここで、おもいきって主人公が負けて
死んでしまったのではないか?
と観客をヒヤリとさせる描写が必要です。
そこで、死んだと思わせてからの…不死鳥のごとく大復活!
敵に自分が死んだと思わせておいて、実は機転を利かせて生きていたという展開が必要です。
そうして、敵の不意をついて、主人公はまんまと勝利をおさめる。
私が思うにここが一番アイディアの見せどころだと思います。
どうやって逆転するかのアイディアが、ご都合的であれば…観客は一気に興ざめてしまうので、どうか踏んばって下さい。
12、宝を持って生還
仲間と共に元いた日常世界へ生還した主人公は、もう最初の頃の主人公とは別人です。
戦いや冒険を経験したことによって、たくましく成長。
じゃあ、どうやってそれを端的に描くのかと言うと…
例えば、自信のなかった青年は、メンターから言われた「自分の感覚を信じろ」というメッセージを信じて…
戦いに挑み、その通りに実行できた成功体験から、自分の力を信じるようになる。
その影響で、誰に対しても自信満々にふるまう…
そういう主人公の様子をハッキリ描写してやれば、OKです。
成長ポイントがセリフではなく、行動(アクション)で見てわかるものであればベスト。
まとめ
● 主人公が非日常の世界へ旅立ち↓
● 死の危険にさらされるほどの試練を経験↓
● 何かを学んで元の世界へ帰還↓
私は大学で映画の脚本を勉強していたのですが、「神話の法則」を発見するまでは、いつもストーリー作りに苦しんでました。
授業課題でプロット表を提出しろと言われても、半分まで考えるのがやっとだったんです。
そんな私でも、12段階あるこの法則にしたがって書いていったら、ものの数時間で、ラストシーンまで一気に全体プロットがつくれるようになったんです。
ただ、これを適用したからといって、誰でも大ヒット作品がかけるほど甘くはありません。
しかし、ストーリー構成にかける時間をへらすためには、こういう所から調べていった方が早いこともあるので、ぜひ試してみて下さい。
参考出典
アイキャッチ画像引用:「Every Story is the Same(YouTube)」
「物語の法則」:株式会社アスキー・メディア・ワークス
ジョーゼフキャンベル財団公式サイト(joseph campbell foundation): https://www.jcf.org/